黷驕Bこのエンサイクロペディアはまず論理学から出発して諸自然科学を遍歴し、やがて精神諸科学(心理学と社会科学と文化科学)を経て、哲学と世界史とに終るのである。――ヘーゲル自身は必ずしも新鮮な圧力ある科学意識に動かされているのではない。彼のエンサイクロペディアは従来の人間認識のレジュメ以上のものでもなければ夫以下のものでもない。だがこの科学分類(この哲学的エンサイクロペディア)はやがて、マルクスの科学的な社会科学[#「科学的な社会科学」に傍点]=科学的コンミュニズムなる圧倒的な理論的意識と結びつく。そこにヘーゲルの諸科学百科辞典的な体系の、歴史上の積極的な意義があったのである。ヘーゲル哲学体系を使用して、社会科学と自然科学との、又夫々の諸科学の間の、分類体統を与える道を開いたものは、F・エンゲルスであった。だがこれに就いては、後に見よう。
 で今迄見て来た通り、有名で又有力な科学分類の裏には必らず、云わば社会的に摩擦されて光を放っている処の、新鮮で強力な、新しい科学の意識があるのである。――処で、今日のブルジョア哲学に於ける所謂「科学方法論」の代表的なものも亦(それは何と云ってもリッケル
前へ 次へ
全322ページ中127ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング