ーは存在から出発し、存在から分離し、或いは存在から分裂し、そして終局に於て又存在に一致するという、観念乃至意識の、必然的な運命を物語る[#「運命を物語る」に傍点]概念なのである。所謂「意識の問題」――諸形式の観念論・ブルジョア哲学の根本問題――は処が、こうした形の問題を提出することが出来ない、「イデオロギーの問題」が初めて意識の問題をば、解き得る公式にまで造り変えるのである。
[#改段]
[#1字下げ]第二章 イデオロギー論の課題[#「第二章 イデオロギー論の課題」は中見出し]
[#3字下げ]一[#「一」は小見出し]
イデオロギーは、相対立する二つの規定を有っている。一方に於て夫は意識[#「意識」に傍点]であるが、他方意識は単に意識ではなくて一つの歴史的社会的存在[#「歴史的社会的存在」に傍点]でもなくてはならない。そこで吾々は仮に、イデオロギー論の二つの――対立する――課題として、イデオロギーの心理学[#「イデオロギーの心理学」に傍点](この言葉を可なり自由に用いるとして)と呼んでおいて好いものと、イデオロギーの社会学[#「イデオロギーの社会学」に傍点](この言葉も亦便
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