Bまして人間の衝動は、かりに夫が永久不変なものではないと考えられても、まだ何の積極的な歴史性を有つものでもない。――だからフロイト主義の所謂唯物論は、社会の物質的基礎を抜きにし従って歴史性を結局に於て無視する処の、生物学主義[#「生物学主義」に傍点](Biologismus)に外ならない。コルナイはフロイト主義の社会分析を、デュルケムのそれと平行させ、前者は社会のイデオロギー的部分を説明することによって、後者の社会理論を補うものだと主張しているが、かりに夫が正しいとして、このデュルケムの社会理論自身が、恰も今云った意味に於ける――他の意味に於てはそうでないにしても――生物学主義に外ならない。――フロイト主義は唯物論ではない、単に生物学主義なのである。
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* W・ライヒの理解する処によればフロイト主義はマルクス主義に帰着する唯物論である(W. Reich, Dialektischer Materialismus u. Psychoanalyse【Unter dem Banner des Marxismus[#「Marxismus」は底本では「Ma
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