点]に外ならぬと主張しているのだから。
この隠蔽、階級理論の無視、は何故必要であったか。之は何もシェーラー一人にとって必要なことではない。――シェーラーはコント程に正直でなかったのか。併しヨーロッパ[#「ヨーロッパ」に傍点]の、そして(コスモポリタンの意志に反して)、それは又同時に国際的世界[#「国際的世界」に傍点]の、資本主義[#「資本主義」に傍点]はその間に八十年の発展を遂げている。コントの同時代者マルクスが肯定の内に否定を見た処のものに、シェーラーは肯定の内に否定を感ぜ[#「感ぜ」に傍点]ざるを得なかっただろう。この感覚が彼をして特にコントの実証主義を敵手として選ばせるに充分だっただろう。併しシェーラーの――自覚すると否とに拘らず――真の敵はコントに在るのではない、コントは彼にとって単に味方からの一人の古い裏切者にしか過ぎない。サン・シモンに於けるコントのかの相弟子マルクスこそ正にシェーラーを脅かしている当のものである。否問題は、此かれの個人に対する敵対にあるのではない、その個人が代表する学派――例えば現象学派に対するマルクス主義――にあるのでもない。問題はそういう学派が生じ得
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