ゥらざる矛盾を解くものとして現われることは、すでに明らかだろう。――困難を解くものは、要するにここでも亦弁証法でなければならないことが判る。
 現代物理学はその問題の客観的な進歩にも拘らず、ブルジョア哲学の諸範疇――機械論・又形而上学――を棄てることが出来ないばかりに、その根本概念――因果的必然性――を困難に陥れて了っている、それを救うものは今やマルクス主義哲学の諸範疇――弁証法――の外にはないだろう。吾々はそういう結論に到着する。――でここまで来れば、物理学に於けるイデオロギー性の内容は、もはや疑う余地があるまい*。
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* 以上の点に就いての多少細かい説明を拙稿「自然科学とイデオロギー」(『知識社会学』――同文館)【本全集第三巻所収】で与えた。
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 物理学に於ける決定論と不決定論との対立に比較すべきものは、生物学[#「生物学」に傍点]に於ける「機械論」と「生気説」との対立である。――前者における無機的物質現象の代りに、ここでは生命[#「生命」に傍点]の現象を置き替えれば好い。そうすれば不決定論はやがて生気説に相当する
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