だからである。蓋し、問題は歴史社会的存在であった。そこで社会から抽象された単なる歴史の、既成性の単線上に於ては、ただ既知の又は約束済みの問題しか発生しないわけである。之に反して、歴史から抽象された単なる社会の、統一的な横断面は、云わばこの既成線に対して垂直に交っている。歴史の既成性は、自分自身の単線的統一を外にして、なお社会のこの横断面に於て別な統一に織り込まれているのである。単なる歴史の単線にとって突発的な問題はとりも直さず、却ってこの横断面に於て統一されており、そしてその面の随処から発見され発明されて提出されたものに外ならない。社会的横断面によって統一された諸問題であるからには――時代の問題であるからには――所謂突発的問題が歴史の単線的統一にぞくさないからと云って、それだけ夫が歴史的でなくて偶然的であるのではない。例えば或る時代――社会的横断面――に於て哲学が自然科学から問題を突発的に提出され、又他の時代に於て経済学から突発的問題を突きつけられるということは、歴史の単線の延長上に於て理解し得ることではない。歴史は云わば単線ではなくして長短無数の線の束であり、その各線の発生期を見るた
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