。形式論理学に於ける真理の法則に較べて、その云わば虚偽の法則が、如何に切実であり有用であるかを人々は注意しないであろうか。虚偽そのものが真理に較べてより根柢的な動機を有っているからである、と考えられる、誤り得ることは人間的であるから、と考えられる。虚偽は真理よりも性格的であり易い性質をもっているのである。そこで形式論理学が一般に非性格的であるにも拘らず、虚偽論だけは性格的虚偽を取り扱い得たわけである。非性格的論理学は虚偽論に於て性格的なる論理学への出口を示しつつあるであろう。吾々は性格的論理学[#「性格的論理学」に傍点]を要求する権利を有つかのように思われる。
 なお、知識学に於て、認識論に於て、又科学論に於て性格の概念は果すべき多くの理論的使命を担っているかのように思われる。
 性格概念は理論一般にとって性格的な使命を有つ。
[#改段]


[#ここから大見出し]
「問題」に関する理論
     ――主に立場[#「立場」に傍点]概念の批判として必要なる分析に限る――
[#ここで大見出し終わり]


 理論[#「理論」に傍点]は一般に、或る意味に於て、常に論争と相伴う性質を有っている。
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