のである。蓋し弁証法的論理とは、歴史的範疇[#「歴史的範疇」に傍点]に就いての論理を意味せねばならない。

 無意識的虚偽の代表者は時代錯誤であり、之が無意識であり得るのはそれが階級性から来る虚偽形態であるからであり、そしてそれが無意識であるが故に夫は――特に弁証法を否定することによって――自らを保持しようと欲する。かくて人々は一旦時代錯誤を自らに許すならば、何の虚偽をも意識することなくして、虚偽を確実に真理として主張することが出来るのである。人々は時代錯誤的問題を選び、時代錯誤的方法を用い、そして時代錯誤的解決を得ることが出来るであろう。而も彼等に向ってどれ程それの虚偽を解明してやろうとも、彼等は自己の虚偽の可能性を見る機会すら見出し得ない程、それ程この虚偽は組織的であり、複雑であり、従って彼等は之を固持することかくも執拗なのである。何が彼等をかくも執拗にさせたか。彼等が支持し、又彼等を支持し、そして社会の一切の事物にまで自己の刻印を押しつけている処の、一つの階級が彼等の背景をなしているからに外ならぬ。

 意識的虚偽は、少くとも虚言者自身を欺いてはいない、処が無意識的虚偽は虚偽者自
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