論内容へ反映する。没落的契機に於ける理論は、論理的矛盾を含む被批判性[#「被批判性」に傍点]――矛盾性[#「矛盾性」に傍点]――として、台頭的契機に於ける夫は之に反して、この矛盾を止揚する批判性[#「批判性」に傍点]として、夫々歴史的段階を一定の論理形態として反映する。蓋し批判とは歴史的運動に於ける二つの契機が相会する処の危機[#「危機」に傍点]の、論理的反映であるであろう。――理論のかの停滞性と展開性とは、今やかかるものとして現われるのである。それ故又問題選択[#「問題選択」に傍点]の可否は、理論のこのような一定の真偽形態として見出されるべき筈である。
尤も又、被批判者の位置にあると考えられたもの、即ち被止揚者は、その被批判性を自覚しないのを寧ろ通則とするから、批判者に対して逆批判をなし得るように空想するのが常である。併し歴史的運動に逆行するかかる逆批判は元来批判ではなかった。そして実際、逆批判者は原理的に、批判者がもつ歴史的に必然な問題[#「問題」に傍点]に対して無知であることを注意しよう*。
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* 批判に当っては批判するものの批判者とし
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