ここに契機と名づけられた二つのものは、もはや決して無限小の微分的な二つの分野ではない、そうでなくして有限的に捉えることの出来る二つの分野として存在[#「存在」に傍点]する。――例えば歴史的役割を担った階級として)。それであるから没落的契機は存在に於ける矛盾[#「存在に於ける矛盾」に傍点]――まだ論理的[#「論理的」に傍点]矛盾ではないことを注意せよ――を含み、之に反して台頭的契機はこの矛盾を止揚し解き披くことを歴史的に必然にされている。さてこの存在的矛盾とその止揚とが夫々、論理的矛盾とその止揚として、論理的虚偽形態と論理的真理形態とになって、反映することを今見よう。
真理は常に代表的真理であったことを茲に思い起こす必要がある。というのは真理内容は常に部分的であって而も真理という全般を代表する資格を有つのであった。真理は云わば abschatten する、常に或る一面のみが照され透明となる。そこで今まで姿を見せなかった真理の新しい一面が、理論の歴史的推移に応じて、歴史社会的運動の一部にぞくするものとして、展開して来るのが事実である。従来日程に上らなかった真理内容が、一定の歴史的段階に当
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