吾々が真理概念を観念的に[#「観念的に」に傍点]理解する代りに之を現実的に[#「現実的に」に傍点]理解するならば、真理という言葉を口にする時吾々は必ず真理内容――真理の特殊的現実的内容――を理解すべき義務がある。もしそうしなければ吾々は無用な空想を以て満足し或いは又苦しむことになるであろうから。さてこのような真理概念であってこそ、初めて虚偽[#「虚偽」に傍点]と現実的に[#「現実的に」に傍点]対立することが出来る。凡そ一方で一定の虚偽を心に置いているのでなければ、真理の内容は現実的に把握出来ないであろう。何となれば真理が最も熱烈・執拗に要求されるのは外ではない、この虚偽を克服しようと欲する場合なのであるから。真理にとっては虚偽の問題[#「虚偽の問題」に傍点]が――真理の理念の問題がでない――最も重大と考えられる。虚偽をして虚偽たらしめるもの、それはやがて取りも直さず、真理をして真理たらしめるものではないか。現実の真理にとっては、真理と共に常に虚偽[#「虚偽」に傍点]――単に誤謬[#「誤謬」に傍点]ではない(初めを見よ)が問題となる。真理内容としての真理は、形式的な真理概念とは異って
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