B一無二」に傍点]でなければならないように見えるかも知れない。併しかかる問題は無論、ただ形式的[#「形式的」に傍点]にしか存在しない。吾々がそのような問題を、実質的に――形式的にではなく――即ち現実的に、把握[#「把握」に傍点]しようとすれば、忽ちそこには把握の仕方の相違が這入って来る。形式上は同一と考えられた問題――前の例ならば存在――も現実に於ては夫々異った特定[#「特定」に傍点]の問題として把握され、そして提出されるのである。現実への避くべからざる交渉を予め用意した限りの現実的概念――之を観念的概念から区別せよ――としては、問題とは常にこのような夫々特定の問題提出[#「特定の問題提出」に傍点]の外ではない。それ故このような意味に於て、学問にとって、一定の書物とか唯一無二の問題とかいうものが存在するとは限らない。従ってそこには理論の唯一性があるとは限らない。理論が同一無二の帰結を有ち得ないのは、必ずしも誤謬の有無・程度・種類の事実上の[#「事実上の」に傍点]相違から来る制限ではなく、そのような事実上の制限を撤して原理的に理想状態を考えて見てもなお、理論はその問題の把握――問題提出―
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