で、毎日/\働いて居ります。其後は何の変りもなく無事に病院で勤めて居ります。知らぬ内に種々の事を覚えて行きます。
御正月にはホームシックにかゝりまして実に淋しく、毎日千歳村のなつかしい御家族の御写真のみ眺めて居りました。私は只神の御助けと御導きにより只神の御保護を信じて其日を暮して居ります。いずれ後より精《くわ》しく申上ます。御なずかしきまゝに一寸申上ました。
     一月十三日[#地から5字上げ]米国ブルックリンにて
[#地から3字上げ]岩倉馨子
   姉上様
[#ここで字下げ終わり]

 彼世《あのよ》からのたよりが又一つ来た。其はお馨さんが臨終《りんじゅう》十一日前の手紙であった。

[#ここから2字下げ]
クリスマスと新年の祝いも、いつしか過ぎ去りまして、はや今日は二十日《はつか》正月となりました。昨年《さくねん》の御正月には、御なずかしき御家に上りまして、御雑煮《おぞうに》の御祝いに預りました。今でも実に何ともかとも申されぬなずかしきその時の光景《ありさま》を追懐《ついかい》いたします。実に月日の過ぎ行くのは早いもので御座いまして、もはや当地に参りましてから年の半分は立ちました。此様《こん》なですから、また御目にかゝる事の出来得る日は近きにある事と思います。
次に私事は相かわらず此病院で働いて居ります。三ヶ月程前から忙《せ》わしき婦人の病室の方へ参りましたもので、夜になって室に帰りましても、筆を取る勇気もなく過しましたが、二三日前から前に居《お》った病室に帰りましたので、非常に楽《らく》になりました。
三ヶ月間は実に苦しい思いをいたしました。然し実によい経験を得ました。私は日本の看護婦のトレーニングにつきましては、どんなか少しも知りませんが、米国のトレーニング、スクールは、たしかに日本よりは勝《まさ》って居ると思います。随分軍隊と同じような組織で、きびしゅう御座います。実にある点は高尚で完全ですが、またある点は劣《おと》って居る処もありますよう思われます。日本に居りました時とすっかり何から何まで変って居りまして、働いた事とて別に朝から夕までつゞけた事もありませんで、生活が全く異って居りますから、実に苦しく感じました。
近頃は朝から夕まで一度も腰もかけなくとも平気で働いて居ります。然し三ヶ月の間は、実に困りまして、幾度も止めようかと思いましたが、とう/\つ
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