う金で花をつけて遊ぶのどうするのいうことはない、心の綺麗な人どした。……お園さん本当に三野村さんに惚れとったのやろか」
女主人はそういいさしてまた傍にいる若奴の方を振り顧った。私はそれに口を入れて、
「あの女は自分でもよくいっていた。わたし、こんな商売していたかて、まだ一度も男に惚れたいうことおへん。そういっていたが、三野村ともそんな捫着がたびたびあったくらいだから無論嫌いではなかったろうが、そう魂を打ち込んで男にほれるというような性質《たち》の女じゃなさそうですな」
「ようここで三野村さんと喧嘩してはりましたなあ」若奴がいう。
「ふむ、よう喧嘩をしてたなあ。あんなに惚れていてどうしてああ喧嘩したのやろ」女主人はその時分のことを思い出すような風で笑った。
「それは仲が好過ぎてする喧嘩でしょう」
そういうと、女主人と若奴とは口を揃《そろ》えてそれを否定し、
「いや仲が好過ぎてするのとちがう。仲が好うてする喧嘩とそうでのうてする喧嘩とは違っています。お園さんと三野村さんの喧嘩は本当に仲が悪うてするような喧嘩やったなあ」
「ええそうどす。お園さん、もうあんたはんのような人は嫌いや、もうこ
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