傍にいて、
「へえ、そうどした」という。
私はあれやこれやその時のことをさらに精《くわ》しく思い出して、
「じゃ、何もかも私のことが原因《もと》で屋形と捫着《もんちゃく》を惹《ひ》き起しているようなことをいって手紙をよこしていながら、それは皆な拵《こしら》え事で真相《ほんとう》は三野村のことが原因だったのですな……どうも、そうでしょう。私はあんたもご承知のとおりあの年の夏の三カ月ばかり京都にいて東京に帰ったきり手紙と金とを送ってよこすだけで、てんで自分の体は来ないんですもの、私のために捫着が起る道理がないのです。みんな※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]《うそ》をいっていたのだ、だからこうして話してみなければ真相は分らない。それでいて私こそ好い面の皮だ。三野村自身のことでそんなに揉めているのとは知らず、言ってくるがままに身受けの金のことまで遠くにいてどれだけ心配してやったか。……私は何もあなたの方の迷惑になるようなことを初めから好んで彼女《あれ》に勧めたわけじゃない。自分ではどこまでも穏便な方法で借銭を払って廃業させようと思っていたのです。それであまり火のついたようにい
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