したんやなあ」とたずねるようにいう。
「どうしてです?」
「あんたはんの手紙に警察へ突き出すとか、どうとかするようなことをいうてあったと見えて、そのことをいつもよういうてました。ほかの者警察のことも巡査のことも何も言うておらんのに、お園さん、そら警察から私を連れに来た、警察が来る警察が来るいうて、警察のことばかりいうていました。よっぽどあんたはんの手紙に脅かされたものらしい」
彼女の言葉は婉曲《えんきょく》であるが、その腹の底ではお園が精神に異状を呈したのも大根《おおね》の原因《もと》は私からの手紙に脅迫されたのだと思っているらしい口振りである。
八
なるほどそう思われるのも全く無根の事実でもない。去年の春まだ私が東京にいて京都に来ない時分、もう何年にかわたるたびたびの送金の使途について委《くわ》しい返事を聞こうとしても、いつも、柳に風と受け流してばかりいて少しも要領を得たことをいってよこさなかったので、随分思いきった神経質的な激しいことを書いて怨んだり脅かしたりするようなことをいってよこしたのは事実であった。けれども、そんなことは他人に打ち明かすべきことでないから、
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