+盧」、第3水準1−15−68]※[#「土+母」、261−10]《ろぼ》性粘土の乾涸《かんこ》せる花床《はなどこ》に、正五|吋《インチ》の深さに苗を下ろし、全体を軽く枯葉で覆い、つぎに忘れてならないことは、桜草属《ピリアンサス》の水仙だけは、他種に比較してよほど繊弱だから、これは、機を見て早く移植する必要がある。ETC・ETC――と言ったような、こんな主張が、希臘《ギリシャ》生れの独断家においてのみ、その「頭の熱い」ストライキの議論と、何と不思議に美しく調和することであろう!
で、私は、頷首《うなず》いた。
彼は、自分の唐突な説が、私の上に影響したであろう反応を見きわめるために、身体《からだ》を捻《ね》じ向けて、私の顔を下から仰いだ。
『ははあ! 驚いていますね。しかし、驚異は常に智識のはじめです――。』
こう言って、彼は、少女のように肩で笑いながら、彼のいわゆる「方程式の証明」に取りかかったのだった。
私は、片っぽの耳だけを希臘《ギリシャ》人に与えて、もう一つの耳では、バワリイKIDSの狂調子を忠実に吸い込んでいた。
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Was it a dream ?
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