ました。それは、実に盛大極まるものでした。欧羅巴《ヨーロッパ》の近世史上に、第一の宴会として伝えられています。この祭典は、昼夜三日続きました。羅馬《ローマ》市とその近郊が、全精神を挙げて参加しました。最初の日には、法王と、バヴァリアからは、王様の一行が乗り込みました。二日目には、羅馬の市民が、全部招待されました。父母の記念にと言って、新公爵は、オッソラから埃及角塔《オベリスク》を担ぎ込ませました。公爵家の紋章で美々《びび》しく装われた三十三頭の牛が、羅馬の街上に、その尨大な石材を牽《ひ》いて、ノメンタナ街の邸《やしき》へ練り込みました。その家が、いまベニイの私生活と、彼の夢のうらおもてを知悉《ちしつ》しているのです。で、同じことが言えないでしょうか。人は、自分の利器に一番注意すべきです。ベニイがファッシズムを潰すか、ファッシズムがベニイを潰すか――。』
明け方は、睡眠の満潮時だ。
彼女の饒舌が、受動的に働いて、いつしか、私の意識をぼや[#「ぼや」に傍点]かしたに相違ない。
私は、二人をその儘《まま》にして、眠ってしまったのだ。それが、何時間だったか、私は知らない。咽喉《のど》が乾
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