いちいち糸を引いているんだ。わかってるじゃないか。その時分から僕に東夏を使わせる計画だったんだよ。(柳麗玉へ)いや、ありがとう。御苦労。開けてみよう。
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包みを受け取って地面にしゃがみ、ひらく。紙箱が出る。
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禹徳淳 (覗き込んで)何だい、ばかに厳重に包んであるじゃないか。
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安重根は無言で箱の覆を取る。拳銃が二個はいっている。
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安重根 (ぎょっとして覆をする。静かに柳麗玉を見上げる)李剛さんが、僕らがこれを忘れて行ったと言ったって?
柳麗玉 あら! (素早く箱の中を見て)ええ。ですけれど、あたし、そんな物がはいっているとは知らずに――。
安重根 そして李先生は、これを僕らに届けるために君を走らせた――。
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と再び箱を開けて、禹徳淳に示す。二人は黙って顔を見合う。間。
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安重根 (苦笑)二挺ある。何方でも採りたまえ。
禹徳淳 ははははは
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