ありました。
この重吉は今は竹中光重といいます。誠に正直|一途《いちず》の人で、或る日、本郷|春日町《かすがちょう》停留場の近所で金を拾い直ぐさま派出所へ届け、落とし主も解りその内より何分《いくら》か礼金を出した所、本人は何といっても請け取らないので、先方《むこう》の人もその意《こころ》ざしに感心して観音の彫刻を依頼されました。その後も種々頼まれたそうです。
底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店
1995(平成7)年1月17日第1刷発行
底本の親本:「光雲懐古談」万里閣書房
1929(昭和4)年1月刊
入力:網迫、土屋隆
校正:noriko saito
2007年4月30日作成
青空文庫作成ファイル:
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