ておって、二重橋寄りで、直ぐ門に接した処にしたいという考えであったが、それは宮内省の方で、練兵の都合などあって御許しがなく、現在の位置に立つこととなりましたが、かえって今日ではこの方がよろしかったかと思われます。
 また台石の方は多分宮内省の方で作ったことと思います。この台石製作の任に当った人は、研究調査のため洋行をしたとか聞きました。
 何しろ、その当時のことで、銅像は東京市中に珍しく、九段《くだん》の大村さんの銅像以来のことで、世の注目を惹《ひ》きました。



底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店
   1995(平成7)年1月17日第1刷発行
底本の親本:「光雲懐古談」万里閣書房
   1929(昭和4)年1月刊
入力:網迫、土屋隆
校正:noriko saito
2007年4月9日作成
青空文庫作成ファイル:
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