公の胴を彫りました(山田氏は福井県の人でまだ年は若かったが、なかなか腕が勝《すぐ》れ、仕事の激しい人でありました。明治二十三年の博覧会に大塔宮を作って出品し好評であった。惜しいかな故人となられました)。それから私は顔を彫りました。後藤氏は馬をやりました。私は楠公の顔をやって甲《かぶと》を冠《かぶ》せた。石川さんも手伝いました。竹内久一先生はどうであったか、少しは手伝われたかも知れません。とにかく学校総出でやった仕事で、主任は私、担任が鬼斎氏および後藤氏で、それから、鋳物の主任が岡崎雪声氏でありますが、岡崎氏は原型には関係がありません。鋳造だけです。
以上が、楠公製作についての事実であります。
底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店
1995(平成7)年1月17日第1刷発行
底本の親本:「光雲懐古談」万里閣書房
1929(昭和4)年1月刊
入力:網迫、土屋隆
校正:noriko saito
2007年4月9日作成
青空文庫作成ファイル:
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