幕末維新懐古談
矮鶏のモデルを探したはなし
高村光雲

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)矮鶏《ちゃぼ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)以前|狆《ちん》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)地※[#「てへん+(「縻」の「糸」に代えて「手」)」、298−3]《じす》り
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 以前|狆《ちん》のモデルで苦労した経験がありますから、今度はチャボのモデルは好い上にも好いのを選みたいというのが私の最初の考えであった。
 しかし、矮鶏《ちゃぼ》は狆と違ってその穿鑿《せんさく》も楽であろうと思った……とにかく、早速、狆のモデルの事で注意を与えてくれた彼の後藤貞行氏を訪《たず》ねて、今度の製作のことを話し、チャボの良《い》いのがなかろうかと相談しました。
 動物には何かと関係のある人だから、早速、或る人を私に紹介してくれた。その人は、元農商務省の役人をしていた人で、畜産事業をやっていたが、目下は役をやめ家畜飼養をやっている、本郷《ほんごう》駒込
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