傍点]のです。
私の友人に辻正次という数学の博士がおります。私は試みに、辻博士に「一とは何か」と聞いてみたことがあります。ところが、博士のいわく、「数学では、一とはすでにわかったもの[#「すでにわかったもの」に傍点]、として計算してゆくのだ」と答えましたが、しかし、たとい一とはわかったもの、として計算していっても、やはり一とは何か、ということを、説明してほしいのです。いちばん安心してよい数学が、こんな調子であります。いわんや、他の科学においてをや、ナンテ申しますと、天下の科学者から、エライお小言を頂戴《ちょうだい》することになるかも知れませんが、とにかくわかったもの[#「わかったもの」に傍点]、「自明の理」と思っていることでも、いざ説明、となると容易に説明し得ないのであります。
公開せる秘密[#「公開せる秘密」は太字] さすがに詩人ゲーテです。一プラス一、それは「|公開せる秘密《エッフェントリッヒゲハイムニス》」だといっているのです。私どもは、ただそれを神秘的直観、宗教的直観[#「宗教的直観」に傍点]によってのみ、知ることができるといっているのですが、公開せる秘密[#「公開せる秘密
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