らくこの薬をのめば助かる、という意味でつけたものだろうと思います。要するに、厳密にいえばマントラとダラニとは、多少意味が異なっていますが、結局は、真言[#「真言」に傍点]も陀羅尼[#「陀羅尼」に傍点]も呪[#「呪」に傍点]ということも、だいたい同じでありまして、神聖なる仏の言葉、その言葉の中には、実に無量の功徳が含まれているというのであります。仏教特に真言密教では、非常にこの呪を尊重していますが、いったい真言宗という宗旨は、法身《ほとけ》の真言《ことば》に基礎をおいているので、日本の密教のことを、真言宗というのです。弘法大師は、「真言は不思議なり。観誦すれば無明を除く。一字に千理を含み[#「一字に千理を含み」に傍点]、即身に法如を証す」(秘鍵《ひけん》)といっておられますが、これによって呪の意味をご理解願いたいと存じます。ところで、この「呪」についてこんな話があります。それはちょっと聞くと、いかにも、陳腐《ちんぷ》な話ですが、味わってみるとなかなかふかい味のある話です。
阿弥陀さまは留守[#「阿弥陀さまは留守」は太字] ある日のことです。有名な白隠禅師がお寺で提唱していたときのこと、
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