なわち『般若波羅蜜多心経《はんにゃはらみたしんぎょう》』というお経は、「人生の目的地《ゴール》はどこにあるか」「いかにしてわれらは仏陀の世界へ到達すべきか」「仏陀の世界へ到達した心境は、いったいどんな状態にあるのか」ということを、きわめて簡単|明瞭《めいりょう》に、説かれたお経であります。こうした意味で、昔から、この『般若心経』をば『智度経《ちどきょう》』と訳されていますが、とにかく、この『心経』は決して抹香《まっこう》臭い、専門の坊さんだけがよむ、時代おくれのお経では断じてありません。ほんとうの真理とは、真理の智慧とは、どんなものであるかを、端的に教えてくれる、永遠に古くして、しかも新しい聖典が、この『心経』です。少なくとも真に人生に目覚《めざ》め、「いかに生くべきか」の道を考えるならば、何人もまず一度はどうしてもこの『心経』を手にする必要があります。ほんとうに、私どもの世の中に、こんなに簡単にして要を得た聖典は、断じて他にないと思います。私どもは『心経』を契機《きっかけ》として、人生とは何か[#「人生とは何か」に傍点]、われらは[#「われらは」に傍点]、いかに生くべき[#「いかに生
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