目的は「我等と衆生《しゅじょう》と、皆共[#「皆共」に傍点]に仏道を成《じょう》ぜん」ということです。「同じく[#「同じく」に傍点]菩提《ぼだい》心を発《おこ》して、浄土へ往生せん」ということです。したがって小乗は単数、大乗は複数です。小乗は「私」ですが、大乗は「我等」です。小乗は自利、大乗は自利、利他です。自利とは自覚、利他とは覚他です。自覚は当然覚他にまで発展すべきです。覚他にまで発展しない自覚では、ほんとうの自覚ではありません。したがって小乗より大乗の方が、ほんとうの仏教であり、民主主義《デモクラシー》もつまりは大乗主義であるということはいうまでもありません。
心経の二字について[#「心経の二字について」は太字] 次に『心経』ということでありますが、ここで「心」というのは、真髄とか、核心とか、中心とか、いったような意味で、つまり肝腎要《かんじんかなめ》ということです。ところで、いったいなんの核心であるか、なんの中心であるか、という事については、いろいろと学者の間にも議論がありますが、要するに、この『心経』は、あらゆる大乗仏教聖典の真髄であり[#「大乗仏教聖典の真髄であり」に傍点
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