闘争
小酒井不木
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)何やら彼《か》やら
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)随分|忙《せわ》しかった
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)顳※[#「需+頁」、第3水準1−94−6]《こめかみ》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)もっと/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
K君。
親切な御見舞の手紙うれしく拝見した。僕は全く途方に暮れてしまった。御葬式やら何やら彼《か》やらで、随分|忙《せわ》しかったが、やっと二三日手がすいて、がっかりした気持になって居るところへ君の手紙を受取り、涙ぐましいような感激を覚えた。君の言うとおり、毛利先生を失ったわが法医学教室は闇だ。のみならず、毛利先生を失ったT大学は、げっそり寂しくなった。更に、また毛利先生を失った日本の学界は急に心細くなった。さきに狩尾《かりお》博士を失い、今また毛利先生の訃《ふ》にあうというのは、何
次へ
全42ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小酒井 不木 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング