の方でじゅうぶん研究してあったので、抜け穴の出口で一人一人いわば網に引っかけてしまったのさ。
 むろん例の誘拐団の連中もその中にいたのだが、さて沢山の支那人や日本人の男女のうちどれが誘拐団の連中だやら分からず、警察へ引きあげてから、その取り調べに困ったが、幸いにも、君に遺恨を持っているあの山本信義がいることを警官の一人が発見したので、信義をせめることによって、とうとう、誘拐団の連中を明らかにすることができたのだ。
 今回彼らが逮捕されるようなことになったのも、まったく、山本信義のためだったので、誘拐団の連中は大いに彼を恨んでいたよ。
 どういう訳かというと、そもそも、頭蓋骨をマークとする上海《シャンハイ》の誘拐団が、今度東京へ来たのは、女優の川上糸子を上海へ誘拐していって彼女を映画のスターとして、一本のフイルムを製作するつもりだったのだ。そのフイルムというのは非常な高価で売れるものなのだ。
 正式に川上糸子に交渉したとて承諾するわけがないので、無理な手段をもって連れ去ろうとしたのだ。もちろん、用事さえ済めば糸子を返してよこすつもりだったのだ。
 ところで、誘拐団の連中は、ひそかに東京へ
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