糸子はどんな服装をしておりましたか」
「洋装で、毛皮の外套《がいとう》を着ていたよ」
「川上糸子だというたしかな証拠がありましたか」
「そりゃ、もう一目ですぐ分かった」
 他の二人の刑事も、彼らの前に横たわっていたのは、たしかに川上糸子に違いないと言葉を添えた。
「それではこのお二人に、川上糸子の昨夜《ゆうべ》からの行動を探ってもらってくださいませんか」
 小田刑事は、二人の刑事に意を含めて立ちさらせました。
「俊夫君、一体この事件をどう思う?」
 やがて私たち三人になると、小田刑事は、こう尋ねました。
「どう思うって、まだ何とも分かりませんよ。事によると、川上糸子は、本当に死んだのではなく、仮死に陥っただけかもしれません。しかし、それは僕の想像にすぎません」
「これから君は、どういう風に捜索の歩をすすめてゆくのか」
「まず、美容術師の近藤つね方を訪ねようと思います」
「その間に、犯人たちは高飛びしやしないだろうか」
「大丈夫です。もし川上糸子が本当に死んでいたならば、死骸を捨てて逃げないとも限りませんが、仮死に陥ったものとすると、正気に復するのを待って連れて逃げるでしょうし、逃げるに
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