は、ありゃ、みんな作りごとです。私は生れ乍《なが》らの盲目《めくら》ですが、どういうものか、煙草の煙が大嫌いでしてね、旦那を揉んで居る間、どうかして、やめて頂きたいと思っても旦那はとても一通りの手管《てくだ》ではおやめにならぬと思ったので、つい少しばかり話が大袈裟になりましたよ。へへへへ、ではどうか、御ゆっくりおやすみを……へえ、へえ、俄《にわ》か盲人《めくら》とちがいますから、手を引いて下さらなくても大丈夫です……」
底本:「怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 恋愛曲線」ちくま文庫、筑摩書房
2002(平成14)年2月6日第1刷発行
初出:「新青年 増刊号」博文館
1925(大正14)年8月号
入力:川山隆
校正:宮城高志
2010年3月9日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全3ページ中3ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小酒井 不木 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング