度も何度も繰返して読む程の熱はない。一般に探偵小説の長篇で、何度読んでも飽かないというようなのは滅多にないもので、やはり探偵小説は、短篇に生命があるように思われる。
ドイツや北欧の探偵小説も相当に読んだけれども、ドウーゼを除いては、これといういいものにはぶつからない。もっとも私の読んでいない作家にすぐれた作品があるかも知れぬが、探偵小説はやはり英米仏にとどめを刺すようである。
何だか、表題にふさわしくないようなことを書いてしまったが、要するに私の一番好きなのはポオとルヴェルである。
[#地付き](「新青年」大正十四年夏季増刊号)
底本:「探偵クラブ 人工心臓」国書刊行会
1994(平成6)年9月20日初版第1刷発行
初出:「新青年」博文館
1925(大正14)年夏季増刊号
入力:川山隆
校正:門田裕志
2007年8月21日作成
青空文庫作成ファイル:
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