味ありげであるが、近づいて仔細に之を看れば何でもないのである。
私は必しも強いて死を急ぐ者ではない、生きられるだけは生きて、内には生を楽しみ、生を味わい、外には世益を図るのが当然だと思う、左りとて又た苟くも生を貪らんとする心もない、病死と横死と刑死とを問わず、死すべきの時一たび来らば、十分の安心と満足とを以て之に就きたいと思う。
今や即ち其時である、是れ私の運命である、以下少しく私の運命観を語りたいと思う。
底本:「日本の名随筆8 死」作品社
1983(昭和58)年3月25日第1刷発行
1991(平成3)年9月1日第17刷発行
底本の親本:「幸徳秋水全集 第六巻」明治文献
1968(昭和43)年11月発行
入力:渡邉つよし
校正:今井忠夫
2000年10月27日公開
2004年7月21日修正
青空文庫作成ファイル:
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