。それでだね、潔《いさぎよ》く外の事も云って終ったらどうだね。いずれ予審判事が見逃す気遣いはなし、今こゝで白状した方が余程男らしいがね」
「犯した罪なら白状しますが、知らぬ事は申せません」
支倉は荒々しく答えた。
「ふん、それがいけないのだ」
署長は調子を稍強めた。
「君が知らない筈がないからね、君がそうやって頑張っているうちは、罪もない細君まで共々厳重に調べられるのだ。君が口を開かなければ細君の口を開かすより仕方がないからね」
「家内は何にも知りません」
支倉は叫んだ。
「君は今家内は何にも知らないと云ったね」
署長は念を押すように云いながら、
「そうかも知れない。然し家内は知らないと云ったね。家内は知らないと云う位だから君は無論知っている事があるのだね、早くそれを云い給え。細君はすぐ家に帰すから」
「――――」
支倉はきっと唇を結んで、物凄い表情をした。こうなったら彼は容易なことで口をひらかないのだ。
「おい、黙っていちゃ分らないじゃないか。早く本当の事を云って、こんなうるさい訊問を二度と受けない様にしたらどうだ。一時も早く裁判に廻って、潔く服罪した方が好いじゃないか。僕
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