きが取れなくなると云うのだろう。何全部俺が責任を負うさ。俺には失敗したからって部下の罪にするような卑怯な事は出来ない。だから出ても出なくても同じなのだ。俺が一緒と云う事は石子君を励ます上に於ても効果がある筈だ」
「それはそうです」
主任はうなずいた。
「じゃ、明日みんなで出かける事にしよう」
「然し」
主任は尚気が進まぬように、
「今度失敗すると、永久にこの事件は闇から闇に葬られて検挙が出来ません」
「君は失敗の事ばかり心配するじゃないか」
署長は叱責するように云った。
「仮令《たとえ》三年前埋葬した屍体だって、実際埋めたものならない筈もなし、又、それと証明の出来ない筈はない。警察官がそう引込思案では駄目だ。我々はこの世から悪人を根絶すると云う任務を持っている。その為には悪人を検挙して法官の前に差出さねばならん。悪人がいつまでも、明白な証跡を我々に提供して呉れない以上、我々は時々冒険を敢てしなくてはならん。見込捜索と云う事は無論ある程度まで危険を伴う。然しそう/\いつでも証拠の歴然とするのを待って検挙を始めると云う訳には行かんじゃないか」
「それは御説の通りです」
主任は静かに
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