「署長殿がお許し下されば何回だって掘ります。然しその結果ついに目的の死体が判明しなかった場合には問題になりますから、寧ろ今私がお咎めを蒙って、辞めようかと思ったのです」
「辞めるなんて云う程の大きな事じゃないじゃないか。君は今三年前の殺人で殆ど証拠が湮滅しかゝっている大事件の探査にかゝっとるのじゃないか。之しきの事にめげてどうするのだ」
「はい」
「間違いは間違いだ。大いに遣《や》り給え」
「そう云って頂くと私も非常に心強いのです」
石子は感激しながら、
「遣ります。大いに遣ります」
石子は決心の色を面に浮べて、一礼すると勇気凜々と云う足取りで戸口に近づいた。
署長はその有様を快げに見送っていたが、何を思ったか声をかけた。
「あゝ、君、石子君、鳥渡待ち給え」
戸口から出ようとする所を呼び止められた石子刑事は微に不安の色を浮べながら戻って来た。
「何か御用ですか」
「うん、墓地の発掘の時には僕も行こう」
「えっ」
石子刑事は驚いて署長の顔を見上げた。
「僕も行って立会おう。その方が好い」
「然し署長殿」
主任は口を出した。
「あなたが行かれて、もし――」
「今度間違うと動
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