く底気味の悪い刑事だと思っていた根岸が、時も時、ひょっこり眼の前に立っていたのだから、浅田の驚きは大抵でなかった。彼は思わずお篠を抱えた手を放した。
「態《ざま》見ろ」
お篠は呶鳴り出した。
「警察の旦那がお前に用があると云って来たので、大方こゝに潜り込んでやがるのだろうと思って、旦那を案内して来たんだ。それを知らないで、ふざけた真似をした上に、あたしをこんな酷い眼に遭せやがった。ヘン、玄関に刑事さんが待っているとは気がつかなかったろう。いゝ気味だ。さあ旦那、こんな奴は早く引っ縛って連れて行っておくんなさい」
「真昼間から夫婦喧嘩は恐れ入るね」
根岸刑事はニヤ/\とした。
「夫婦喧嘩じゃありません。この野郎が支倉の奥さんに――」
お篠が喚き立てようとするのを浅田は押えた。
「根岸さん、私に何か御用ですか」
「えゝ、鳥渡聞きたい事があるので、署まで来て貰いたいんですよ」
「そうですか、じゃ直ぐ参りましょう」
墓を発《あば》く
牛込神楽坂署の密室で、庄司署長を始めとして、大島司法主任、根岸、石子両刑事の四人が互に緊張した顔をして何事か協議していた。
「する
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