計略二重戦
少年密偵
甲賀三郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)仁科猛雄《にしなたけお》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)課長等|重《おも》だった

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)あいつ[#「あいつ」に傍点]
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   隠れた助力者

 道雄少年のお父さんは仁科猛雄《にしなたけお》と云って、陸軍少佐です。しかし、仁科少佐は滅多《めった》に軍服を着ません。なぜなら少佐は特別の任務についているからです。特別の任務と云うのは、外国から入り込んで、隙《すき》があったら、日本帝国の軍機の秘密を盗もうとしている、恐るべき密偵を監視し警戒する役目なのです。こう云う恐るべき敵に対しては、仁科少佐を初めとして、何人もの人が日夜油断なく見張っていますが、相手も一生懸命ですから、時折は、残念ながら秘密書類を盗まれたりする事があります。仁科少佐はそう云う悲しむべき事が起った時に、いつでも、あらゆる方法を尽して、必ず敵から盗まれた書類をとり返して、我が国の危機を救っています。けれども、仁科少佐がそう云うむずかしい、且《か》つ危
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