又警察から賞《ほ》められて褒美《ほうび》を貰った。飛山君は元通り学校に来ているが、何でも飛山君の感心な事を聞いて、誰かが学資を出して呉れるようになったので、飛山君は前のように苦学をしなくても好いようになって、前よりももっと出来るようになった。好い事をしていればいつか報いられるものだと思う。
飛山君は幸福となるし、飛山君のお父さんは疑いが晴れるし、森君は本当に好い事をしたと思う。大人も見つける事の出来なかった悪者を見つけて、この世の中から退治たのは偉いと思う。森君は大人のような智慧《ちえ》があって、何だか恐《こわ》いけれども、一方ではとても優しい所があるから僕は大好《だいすき》だ。現に今度の事でも、森君が優しくびっこの犬を介抱してやったればこそ、緒《いとぐち》が見つかったんだから。
底本:「少年小説大系 第7巻 少年探偵小説集」三一書房
1986(昭和61)年6月30日第1版第1刷発行
初出:「少年倶楽部」
1930(昭和5)年8月
入力:阿部良子
校正:大野 晋
2004年11月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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