、動物、雲鶴《うんかく》、竜、蔬菜《そさい》図、等が描かれてあります、その群青《ぐんじょう》、朱、金銀泥、藍《あい》、などの色調は、さも支那らしい色調であって、大変美しい効果のものであります、そして応用されている処は、やはり扉や箱の蓋《ふた》や、その周囲への装飾として嵌《は》め込まれたり、あるいは額面用として作られてあるのもあります、そして画品もなかなかいいものが多いのです、概して大ものよりも小品に優秀なものを見ます。
 時には鏡台とか化粧道具の引出しと見せかけて、数枚のエロチックに関するものが出て来るものもあります、これ等も古いものに美しいのがあります。
 大体において支那は乾隆《けんりゅう》の頃、西洋との交通やその文化も盛んであったのでその頃のガラス絵が一番美しいという事になっています。
 西洋模倣のものにもなかなか美しいものがあります、これは調子なども洋画風に整頓《せいとん》した古い阿蘭陀《オランダ》派の油絵に似たものが多く、主として、風景、人物、風俗あるいは汽船とか、西洋名勝などがあります、その額縁さえも支那とは思えない位《くら》いのクラシックなものが、ついているのを見かけます
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