けてしまったとしたら、私は困ってしまう。
どんなに世の中が、あるいは政府が、これが一番だと推奨してくれても、私が好まないものであれば、恋愛は更《さ》らに起らないのだ。
私は人種同志が持つ特別な親《したし》みというものが、非常に人間には存在するものだと思っている、よほどの特別仕立ての人間でない限りは、人は同じ人種と結婚したがるものだ。
私は外国にいた時に、特にそれを感じた、如何にそれが正しい人間の形であるかは知らないがあのフランスの多少|口髭《くちひげ》の生《は》えた美人が、一尺の間近《まぢか》に現れたとしたら、私はその美しさに打たれるより先きに、その不思議に大袈裟《おおげさ》なその鼻と深く鋭い目玉と、その荒目な皮膚の一つ一つの毛穴に圧倒されて、泣き出すかも知れない。
足の短いのを或る理想主義から軽蔑《けいべつ》する人もあるが、私は電車の中などにおいて日本的によく肥えた娘が腰かけていて、その太い足が床に届きかねているのをしばしば見る事があるがあれもなかなか可愛いものだと思って眺《なが》める事がある。しかし近代の日本の女もその生活の様式が変ったためか、だんだん足が長くなって来たのは
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