ったのだと白状すると、按摩は大に笑って、一体あんたの時はどんな手で来ましたという、そんなに沢山手があるのかと私は驚きました、僕の時には絹布団を敷いてやるといったよと申しますと、誰れでもその手でやられるなあと按摩は会心の笑《え》みをもらしました。
構図の話
構図(Composition)と云う事はこれを本式に研究すれば例えば黒田君の構図の研究と云う本が壱冊も出来る位い複雑なものである。
然し私は初めて絵を描こうとする人達にとってはあまり最初からむつかしい構図の理論などは知る必要もあるまいと思う。それよりも先ず物に写す技能を勉めなくてはならないだろう。然し乍ら一旦画面に向うと同時に其自然なり人物なりの、どれだけを、どんな形に画面へ切り取って収めるかと云う事が直ちに問題となってくるのである。即ち構図の知識の極くざっとした事だけは知っている方が便利であると思う。
そこで私は構図に就いての頗るざっとした話を書くつもりであるが、結局は構図のうまさも、拙ずさも其画家の感覚や天分如何によるものであるから必らず斯うすればいいと、はっきりとは云えないが、先ず大体の構図に関するざっとした心得
前へ
次へ
全166ページ中145ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小出 楢重 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング