において毎年一枚かせいぜい二枚の絵が売れて行くだけである。それも調べてみると何かの縁につながれた人情を発見するという現象だ。
 すると近代の画家は一年中、食物と戦いつつ若き男女の漫歩に適するハイカラなる背景を無給で製造しているわけでもある。何千人の人達が散歩してしまい画界の潮流を示してしまうと、すぐに引込めて、あとは画室の二階へ永久に立てかけておく。
 するとまずその五〇銭の入場料の配当によって役目を勤めた画家は多少救われるようにも見えたりするが、そううまくは行かない。帝展の如く素晴らしい入場者があっても、画家はまったく無配当であるらしい。ことにそれほど多くの入場者を持たない諸展覧会は、来年度の開催を保証されれば幸福と考えねばならない次第だそうである。
 さてまた画家の絵を作りたがる根性はまたいじらしいもので、如何にいじめられ望みを奪われ、金が無くともただ絵が描きたいという猛烈な本能の強さに引きずられて、われわれは仕事をしているために、決して画家はいかに条件が悪くとも、怠業したり示威的な行動を起こしたりはしない。何だって構わない。自分の一年中の仕事の封を切ってみせたくて堪らないのだ。誰
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