堂がヒッソリした。大分、酔うた連中が多かった。僕も人のゲロ吐くのを見て、一寸気もち悪い時もあったが、然し、一度も食堂はかかさず、だんだんめしがうまくなって行ったので、大に悦んでいる。もう船旅は何んでもなくなった。然し早くマルセーイユへつきたく思う。十何日陸を見ないとカナリ飽きる。
きのうは紅海で、アフリカの砂漠の砂が風のために空と海を黄色にしてしまった。口の中がジャリジャリして弱った。紅海は暑い、初めて熱帯らしい気がした。
印度洋は、大抵毎日、七十度台だから、寒さを感じる程であった。然し暑い紅海も、向い風であるので、九十度位だから、しのぎよい。
あさって頃からは、ズッと涼しくなるそうだ、ムンスーンの風のおかげだ。暑いよりは涼しい方がよいと思う、少々船はゆれても。
おととい、紅海へ入った日に、ヒチリン(カンテキ)のカケラの様な殺風景な島を見た。こんな島を見ると、ナル程日本から遠く離れて来たなアと思う。噴火口であるそうだ。
かもめが沢山船について飛ぶ。
此の間から二度、カジヤ町のうちへ帰った夢を見たよ。大ぜい子供が集って、泰ちゃんと遊んでいたよ、重子とおばアちゃんとが居たよ。フ
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