とす以上に感じたことであったらしい。
それも馴れてしまえば、かえって丁髷などうるさくおかしく見えて来るものなのである。何しろ初めてという時に、その先頭を承るところのいの一番に乗り出すところのものは、よほどの勇気ある者でなければならない。とにかく笑われの標的となるにきまっているのだから。
ところで、大概の人は自分も実はやってはみたいのは山々だが、恥しいのと、他人の口が気になったり、おっちょこちょいといわれるのが口惜しかったり、あるいはモガとか、若い奴、阿呆、といわれることを怖れ、世の中全体にその流行なり雰囲気なりが、ほぼ行き渡ってしまうまで、じっとこらえて、我慢をして待っているものである。
断髪や洋装でも左様だが堂々と断髪し、堂々と本式の洋装をしてしまえば気もちがいいのをば、変に遠慮勝ちに、ちょくちょくとやってみるのでかえって怪しく不思議なものが出来上がってくるのである。
断髪してしまうと、また何時思わくが変わっては大変だというしみったれた根性から、その頭髪をなかば後頭の辺りへ押し込んでしまって、ちょっと素人目だけを断髪らしくごまかして見せるもの[#「もの」は底本にはなし]なども
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