ゐらせん」といつも書いてある。ラファエル・フォン・ケーベルやカルル・ヒルティや、内村鑑三らが信じて疑うことができなかったように私たちの地上に別れた霊魂は再び相合うときがあるのではなかろうか。深き別離は実際われわれの霊魂にむくろを残しているのである。私たちは去り行きたる人々のために祈るより他はない気がする。私の夜空を眺めるとき、あの空に散りばめた星と星との背後に透視画的の運命のつながりがあり、それが私たち地上の別れた哀れな人間たちの運命の絆を象徴しているのではあるまいかというようなことも思い浮かべられるのである。
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別るるや夢一とすぢの天の河
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[#地から2字上げ](『婦人公論』一九四二・一〇・所載)
底本:「青春をいかに生きるか」角川文庫、角川書店
1953(昭和28)年9月30日初版発行
1967(昭和42)年6月30日43版発行
1981(昭和56)年7月30日改版25版発行
入力:ゆうき
校正:noriko saito
2005年1月6日作成
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