しておやり、ゆるしておやり。
僧三 あの場合私たちが少しも怒らずにいられたろうか。あの傲慢《ごうまん》とあのわがままと、そしてあの侮辱を――
親鸞 無理はないのだよ。だがそれはよくはなかった。どのような場合でも怒るのはいけない。お前たちは確かに少しも怒りを発せずにゆるすべきであったのだ。だがだれにそれができよう。ねがわくばその怒りに身を任すな。火をゆるがせにすればじきに広がる。目をつぶれ。目をつぶれ。向こうの善悪を裁くな。そしてただ「なむあみだぶつ」とのみ言え。
僧二 それはずいぶんつらいことでございます。
親鸞 つらいけれどいちばん尊いことなのだ。またいちばん慧《かしこ》いことなのだ。何事もなむあみだぶつだよ。(手を合わせて見せる)
僧一 やはり私が間違っていました。唯円殿はどのようにあろうとも、私としてはゆるすのがほんとうでした。いくら苦しくても。知らぬ間に我慢の角《つの》が出ていました。
親鸞 ゆるしてやっておくれ。
僧一 はい。(涙ぐむ)
僧二 私はもう何も申しません。
僧三 私もゆるします。
親鸞 それを聞いて私は安心した。皆ゆるし合って仲よく暮らすことだよ。人間は皆不幸なの
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