は燃えないような狭いものではない。蝶《ちょう》は一つの菫《すみれ》にしか止まらないというわけはない。あなたはこの事を今は特に著しく、重大に感じていられる。さもあることです。けれど私たちのような老人から見れば、ただどこの太郎もそのお花を見つけるという一つの普通の事に過ぎません。
唯円 (いかる)私はそのような考え方をするのを恥じます。
僧一 そんなに興奮しないほうがいいです。私はただ年寄りとして若いあなたに、まあ、そのようなものだということを言ったまでのことですから。もうあなたに向けて議論をいくらしてもしかたがありません。私たちは、私たちの考えを行なうよりほかに道がありません。だが、ただも一度だけ伺います。あなたはどうしてもあの遊女を思い切る事はできませんか。
唯円 どうしてもできません。
僧一 ではしかたがありません。(僧二、三に)もう話してもだめですからあちらに参りましょう。(立ち上がる)
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僧二、三立ち上がる。三人の僧行こうとする。
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唯円 (僧一の衣を握る)なんとなされます?
僧一 私はあ
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