で悪くてよ。
墨野 しょうがないね。
仲居 ではすぐに来てください。(退場)
墨野 では行って参ります。いずれ後ほど。(退場)
村萩 二人でしましょうか。
浅香 (気の無さそうに)もう花合わせはよしましょうよ。(札をかたづけつつ)私は今晩は負けてばかりいました。(考える)ことしはどうも運勢がよくないらしい。
村萩 花合わせのようなものでも、負けると気持ちのいいものではないのね。
浅香 まったく。
村萩 あなたはこのごろおからだでも悪いのじゃなくて。
浅香 どうして?
村萩 なんだか景気がよくないのね。いつも沈んでいらっしゃるわ。
浅香 私の性分ですわ。
村萩 少しおやせなさいましたね。
浅香 そうですか。
村萩 あまり物事を苦になさるからよ。私みたようにのんき[#「のんき」に傍点]におなりなさいな。
浅香 でも何もかも情けない事だらけですもの。
村萩 それはそうよ。けれど私たちのような身で、物を苦にした日には、それこそ限りがありませんわ。
浅香 ほんとにねえ。
村萩 私も初めはあなたみたいに、考えては悲しがっていたのよ。来た当座は泣いてばかりいましたわ。けれど泣いたとて、どうもなるので
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