。一度その取り消しをすることを私の義務と感ずる。私は人々が熟知しながら醜いことを明るみに持ち来たすことを好まない清い心から沈黙していることを愚かにあばいたのであろうか。もしそうだったら私は赤面する。しかし私はどうしてもそう思えないのでやむをえず不愉快を忍んで書いたのである。私はけっして醜いことをできるだけリザーヴして表現することの美しい徳であることを知らないものではない。醜いことはたといこれを否定的に語る場合といえども読者の心に悪の陰を翳すものである。清い人はきっとそれを好まぬに違いない。しかし上述のごとき目的をもって書く以上私はそれを避けることができなかったのである。私はもっと天的な感じのする文章のみが書きたい。その意味においてこの一文を草さなければならなかったことを私は一つの不幸と感じている。
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文壇への批難
批難といっては私の心持ちにしっくり[#「しっくり」に傍点]しない。私はいま調和を求むる願いにみちているから。しかしいま私は私の心の底にある一種の怒りの感じ(それを私はけっしていいものとして自分に許してはいないが)に処を与うるため
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